ポップアップストアのメリットとは?在庫管理を効率化するコツを解説!
「ポップアップストア」とは特定のスペースに開設される期間限定の仮店舗のことで、人が多く集まる会場やイベントスペースなどにおいてよく見かける業態です。
実店舗の運営に比べて、フレキシブルなスタイルのポップアップストアは有利な面が多く挙げられるため、企業やブランドがそれぞれの目的に応じて活用するケースが増えてきています。
ここでは、ポップアップストアの定義・目的・種類などの概要をはじめ、メリットや成功させるための方法、在庫管理を効率化するコツなどについて徹底解説いたします。
ポップアップストアとは?
ポップアップストアの定義
もともと「ポップアップ(Pop-up)」は、「ポンと飛び出す方式の」を表す英語です。
ポップアップストア(Pop-up Store)とは、空き店舗や空きスペースを利用して短期間のみ営業する販売店を意味しています。
デパート・ショッピングセンターの催事スペース、イベント会場、駅前の特設スペースなど人通りが多い場所で、数日から数週間程度だけ出店されるのが主な特徴です。
ポップアップストアの目的
企業やブランドの新商品、サービスの紹介や告知、プロモーション(販売促進)や特別イベントなどを目的にポップアップストアは開設されます。
またオンラインやECサイト限定で販売する業者が、PR戦略として一時的にリアル体験をしてもらう場所としても活用されることがあります。
ポップアップストアの種類
ポップアップストアの種類は主に以下の3つが挙げられます。それぞれの特徴をまとめますので、自社運営にはどれが当てはまるのか確認をしてみましょう。
1. 特別テーマ/季節イベントによるポップアップストア
「特別テーマ」によるコンセプトショップでは、特産品などを販売する地域密着タイプのショップやSDGs関連のグッズを扱うショップなどが含まれます。
また、季節イベントに合わせたショップとしてバレンタインデー、ホワイトデー、ハロウィン、クリスマスなどの季節商品やグッズを扱うショップもポップアップストアと呼ばれます。
2. ブランドによる期間限定ポップアップストア
特定ブランドの新商品・限定商品を中心に、PRだけでなくお客様とのダイレクトな接点づくりやブランドの認知度アップが目的です。ポップアップストアのデザインや装飾も含めてブランドイメージを作り上げて、ユーザーアピールをします。
ECサイトの企業やブランドが、顧客層やファン開拓のために取り扱う商品・サービスを直接PRする場としても活用されています。
3. コラボレーション戦略のポップアップストア
アーティストやブランドがコラボして共同出店するポップアップストアは、個別のファンや顧客層への訴求力を高めるうえ、新しい市場開拓も可能です。
今までにない実体験を試みて、ブランドの魅力をさらに多面的に伝達できるのが魅力です。
各ポップアップストアにかかる費用はどのくらい?
ポップアップストア開設/運営にかかる費用としては、
- 場所代(会場やスペースを借りる費用)
- ストア設置費用
- 必要機材のレンタル費用・展示費用
- 広報費
- 必要備品代・在庫費用
などが挙げられます。
ポップアップストアはEC事業本体よりもコストが高くなりがちですが、実店舗経営と比べれば設置/撤収が簡単なため低コスト化できるといえます。
ポップアップストア活用・4つのメリット
では、実際にポップアップストアを開いた場合に得られるメリットについて、4つに分けて解説いたします。
1. テストマーケティングとして有効
ポップアップストアを開設するのはテストマーケティングの手段として有効です。
いきなり在庫を確保して販売を始めることはリスクを伴いますが、数日から数週間の期間を通して貴重な販売データを集められることにより、今後の売れ筋商品の予測が可能になります。
商品の優先順位がわかれば、ECサイトでも実店舗でも必要在庫数の限度がわかり、余剰在庫を防ぐ対策にもなります。
2. 顧客層と直接的な接点が持てる
顧客層とダイレクトな接点を築けることが、ポップアップストアの最大のメリットと言えるかもしれません。
ECサイト限定の企業やショップは、お客様との直接のコミュニケーションを通してリアルな意見や感想を得られないのが実情です。
ポップアップストアを開設すれば、お客様に商品やサービスを実際に試してもらった生の声が聞けるため、本当の意味でのリアクションを確認できます。
3. 新しい客層やファンの開拓ができる
取り扱う商品やサービスによっては、特定の顧客層にのみ受けがよく販売傾向に偏りが出るケースがあります。
性別や年齢などを問わずターゲット層を拡大する場合、通りがかりの客層も取り込むことのできるポップアップストアで新規の客層やファンを開拓することも可能です。
4. コスト削減につながる
短期での運営が特徴のポップアップストアは、期間が限られるためコスト削減にも貢献します。
通常の店舗は長期的な設備投資や賃貸料などの費用が必須条件になりますが、ポップアップストアは場所に関わるコストを最小限にできる上、フレキシブルな対応が可能です。
また、新しい市場開拓を目的にポップアップストアを出店すれば、市場リサーチも低コストで実施できます。
ポップアップストアを成功させるには在庫管理が重要?
ポップアップストアを開く際には、赤字になる危険性も考えておかなくてはいけません。
まず開設費用が最低限必要になり、ECサイト事業よりも1販売あたりのコストがかかる傾向にあるためです。
では、ポップアップストアを成功させるのに最も重要な点は何でしょうか?
それは、「いかに効率よく在庫管理を実施できるか」がポイントです。
ポップアップストア出店時の在庫管理の問題点
ポップアップストア出店の問題点の一つとして在庫の保管場所が挙げられます。
ポップアップストア用の在庫を保管するスペースの確保は難しいことが多く、在庫専用スペースに制限がある場合、商品の在庫適正数をどうすべきか的確な予測と戦略が不可欠になります。
さらに、在庫数が正確に把握できない、商品を補充しにくいなどの問題点も生じます。そのため非効率な在庫管理がもたらすトラブル発生も想定しておく必要があります。
在庫がゼロになる、商品は確保しているのに店頭への補充が追いつかないなどのトラブルが起きた場合、販売チャンスの喪失や信頼性ダウンの恐れを招いてしまいます。
ポップアップストアの在庫管理の必要性
ポップアップストアにおける在庫管理のポイントとして、在庫を余らせないことと、在庫を切らさないことが挙げられます。
ポップアップストアはもともとイベント性が強い業態で、在庫予測が難しいと考えられているため、予想外に販売数が伸びず在庫を抱えた場合、商品によっては廃棄せざるを得ないリスクがあります。
また、想定を超えて商品が売れすぎても在庫が底をつき、出店期間の途中で商品がなくなる事態に陥ります。欠品により売上増加が見込めなくなると、機会損失につながるため避けたいところです。
在庫を余らせない・切らさないようにするためにも、継続的にモニタリングしながら厳重に在庫管理を行なう必要があります。
ポップアップストアの在庫管理を効率化させる4つのコツ
では最後に、ポップアップストアの在庫管理を無駄なく効率化させるためのコツについて具体的に解説いたします。
1. 適正な在庫数を想定する
余剰在庫を抱えて困ったり、在庫不足で販売チャンスを逃したりしないように、どの商品をどれくらいの数で揃えておくかを想定しておく必要があります。
とりわけ安定した需要が期待できる限定商品や売れ筋商品は、在庫に余裕を持たせて用意しておく必要があります。
また、AI技術をベースにしたツールを利用すれば、顧客の購入履歴をはじめとした過去のデータから需要の予測を精度化できます。
2. 並べ方を統一する
在庫管理の効率アップには、ポップアップストアの商品レイアウトだけでなく保管する在庫スペースのレイアウトも統一ルールで管理するのがおすすめです。
たとえばアパレル関連企業では、お客様が探しやすいようにサイズと色で商品レイアウトを行うのが普通ですが、在庫管理も同じくサイズと色で並べて保管をしておけば、在庫担当スタッフの確認作業が簡単になり、商品の補充もスムーズです。
3. システムで在庫一括管理する
ポップアップストアや店舗すべての在庫をシステムで一括管理することは大変有効な手段です。
在庫管理システムを導入すれば、企業やブランド全体の在庫数を横断して可視化できるため、ポップアップストアの在庫不足時にも他店や倉庫から楽に取り寄せができ、迅速な欠品対応につながります。
4. 「在庫なし」のストアにする
お客様に実物の商品を手に取って見てもらったあと、実際はオンライン上で売買をする「ショールーミングタイプ」のストアなら、商品サンプルを展示するのみの店舗となります。
アパレル業界をはじめとして他業界でも採用されつつある新規スタイルの業態です。
もし販売スペースや在庫を保管するスペースに制限があるのなら、このスタイルのストアは場所要らずで効率が良いのではないでしょうか。
まとめ
イベントスペースなどで短期間営業するポップアップストアは、新商品や限定商品の紹介、PRなどにおいて様々なメリットに富んでいます。テストマーケティング手段としても有効で、お客様と身近に接するチャンス、新規顧客の開拓、コスト削減の面からもオススメの施策です。
ポップアップストアを成功させるためには在庫管理が非常に大切で、在庫余剰や在庫不足の対策が必要となってきます。在庫管理を効率化するコツとして、システムによる在庫一括管理やショールーミング化なども検討し、必要に応じて検討してみてはいかがでしょうか。
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