2025.02.25
出荷ミスを減らす方法にシステム管理の導入がおすすめな理由とは?
誤出荷とも表現される出荷ミスは、近年、EC業界や倉庫管理において大きな問題となっています。顧客満足度の低下やコストの増加につながるおそれがあるため、一刻も早い対策を講じたいと思案している方も多いでしょう。
とはいえ人的管理に頼った発送プロセスでは、目視で都度確認をしていてもミスが起こる可能性を否定できません。そんな中、出荷ミスの削減や作業の効率化といった悩みの解決に直結するのが「システム管理」です。
今回は、出荷ミスを減らすためのシステムによる管理の重要性・メリット・方法をご紹介します。
よくある出荷ミスとは?
まず出荷ミスとはどのような事例があるのか、以下でわかりやすく説明いたします。
商品の間違い
色違いやサイズ違いの商品を取り扱っている場合に多いのが「商品の間違い」です。
ユーザーが購入した商品と異なる商品が届くことはトラブルになりやすいだけでなく、返品や交換などのコストも伴うため最小限に抑えなければなりません。
数量の間違い
小さい商品、細かい商品を扱っていたりする場合に多いのが「数量の間違い」です。
複数の商品をまとめて購入された際に、商品の数や単位を見間違うことが原因で発生しやすいでしょう。
また、同じ商品においてもバラ売りと箱売りの双方を扱っているとミスが発生しやすくなってしまいます。
出荷の遅延や出荷漏れ
複数の注文をまとめて処理する際に、一部の注文を見逃してしまったり、特定の商品の同梱を忘れてしまったりするミスも考えられるでしょう。
また、こうした出荷漏れが原因で発送が遅延することもよくあるトラブルの一例です。
商品の紛失
保管時に紛失してしまうパターンの他、梱包まで済ませた段ボールなどを積み込む際に、何かしらの人的ミスで紛失してしまうパターンもあります。
紛失は、取り扱い数や注文数が多くなればなるほど発生しやすく、原因の追及と対応にも時間を費やします。
人的コストがかかる上に在庫管理にも影響を及ぼすため、慎重な管理をしていかなければなりません。
商品の破損
梱包時の緩衝材が適切でないと、配送時に破損するトラブルも発生します。
特に瓶物などのガラス製品は適切な緩衝材を選ぶことが大事です。
宛先の間違い
宛先の相違は、手作業で伝票の作成や仕分けをしている場合によく起こりやすいミスです。
ユーザーが登録した住所や名前などの情報を見間違えて記入したり、出力した伝票を貼り間違えたりなどのミスが挙げられます。
また、たとえ無事に送り届けられたとしても、名前の漢字間違いなどがあると注文者からの印象を下げかねませんので要注意です。
納品書の入れ間違い
注文者と異なる個人情報、商品情報の記載された納品書を同封して発送するパターンも大きな出荷ミスです。
商品自体に問題はなくとも、個人情報の流出は深刻な問題に発展するため十分に注意しましょう。
出荷ミスによくある3つの原因とは
ここまでにご紹介してきた出荷ミスの原因は、ほとんどの場合が人的ミスによるものです。
では、具体的にどのような段階でどういった経緯から人的ミスが生じてしまうのか、以下で解説していきます。
1. 出荷指示のチェックが甘い
注文を受けた後、出荷指示をするタイミングでミスが発生しやすくなります。
特に、データの加工が必要となりExcel等で修正する際に、セルがずれていたり数式が間違えている事により、数量や商品番号の間違いが起こりやすいです。
指示をする段階で間違えてしまうと、その後にいくら目視や二重チェックを実施してもミスを防ぐことができません。
さらには特記事項の確認が必要な注文にも関わらず、それを見落としてしまって出荷ミスにつながるケースもあります。
2. ピッキング時の見間違い
ピッキング時の見間違いにも要注意です。見間違いは類似商品を多く取り扱っている場合や、バリエーションが多数ある商品に起こりやすいミスの原因です。
セット商品の場合、商品名や商品コードは一つであっても、セットとして複数の商品を同梱しなければいけません。
担当者全員がその商品について正しく理解をしていなければ、それだけミスにつながるリスクも高くなります。
3. 伝票や納品書の管理が甘い
現場でよくおこるのが、途中で用紙切れや紙詰まりをおこし、再開時に同じ伝票を印刷してしまうことや、連番がずれてしまうことにより納品書と送り状の順番が変わってしまうことなどがあげられます。
これは、複数の伝票を一括で出力している場合に起こりやすい間違いです。
出荷作業の担当者が大量の仕分けを行う中で、うっかり貼り付け間違えてしまうことも考えられるでしょう。
出荷ミスを減らす方法にはどのようなものがあるか?
出荷ミスが重なると、コストの増加や顧客満足度の低下など様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
ここでは、ミスを最小限に減らすための対策にどのような方法があるのかを簡単に紹介します。
在庫の保管場所を整理する
在庫の保管場所を整理することも、出荷ミス削減のためにできる対策の一つです。
- 類似商品同士を近くに置かない
- かごや仕切りを使って商品が混ざらない工夫をする
- 出荷頻度の高いものを手前に置く
など、ミスが起こりにくいロケーションを意識しましょう。
充分な作業スペースを確保する
整頓された広いスペースで出荷作業をすることも重要です。
狭いスペースで作業をすると、出荷予定の商品とこれからピッキングを行う商品が混在してしまい、出荷ミスにつながりかねません。
出荷ミスを防ぎ、スムーズな作業を可能にするためにも作業スペースは広めに確保しましょう。
マニュアル化し、作業の流れを共有する
出荷までの一連の流れをマニュアル化し、作業員全員で共有することも出荷ミスを防ぐ対策の一つです。
工程ごとにミスが起こりやすい点を挙げ、確認の徹底やミスをしない工夫をしていきましょう。ルールを守り、マニュアル通りに作業を進めることがミスの削減につながります。
ダブルチェックを徹底する
出荷ミスを防ぐのに効果的で、比較的導入しやすいのがダブルチェックの徹底です。
マニュアルを作成する際にダブルチェック項目も制定し、作業員全員が「ミスがあるかもしれない」という思考で行うと、より早い段階でミスに気付きやすくなるでしょう。
システム管理を導入する
ダブルチェックには人手がかかり、また精度にも限界があります。
人の目だけに頼らず、受注から出荷までの工程をシステムで管理することにより、出荷漏れや出荷指示の間違いによるミスを未然に防げます。
また、履歴の確認もできるため、万が一トラブルがあった際にもすぐに原因を追及し、改善させることが可能です。
システム導入による3つのメリット
ECの物流を効率化させるシステムには、在庫の管理に特化した在庫管理システムや、入荷から発送業務まで管理・効率化できるWMS(倉庫管理システム)などがあります。
在庫管理システムやWMSを導入すると、人の目で確認をするよりも正確で簡単に出荷ミスを防げるため大変おすすめです。
これらのシステムを導入することで得られるメリットについて詳しくご説明します。
1. コスト削減が図れる
システム管理を導入することで、出荷ミスによる追加の費用や人的コストを削減できます。
多くの注文に対して迅速な対応を求める場合、手作業での作業や目視による確認に限界があることは想像に難くありません。
人間の目に加えてシステムのチェックを取り入れることで、出荷指示やピッキング、出荷作業時に起こるミスや作業工程の削減につながります。
2. 在庫管理が楽になる
在庫のリアルタイム管理は、出荷ミスを未然に防ぐことにつながります。
商品数が多ければ多いほど、在庫管理を手作業で行うのは大変な手間です。
数を一つ間違えるだけで出荷ミスにつながりかねないため、その作業をシステムで管理できるのは大きなメリットといえるでしょう。
3. 精神的な余裕が生まれる
個人がきちんと目視で確認を行い、二重チェックを徹底しても、人的ミスが起こる可能性は十分にあります。
注文から発送までの工程にかけられる時間が限られる中で、ミスを起こさないよう集中し続けるのは多大なストレスがかかるでしょう。
そのような場合にシステムを利用することで精神的な余裕が生まれ、作業効率も増します。
物流システムはどのような問題を抱える方におすすめ?
システムの導入が、出荷ミスの減少と作業の効率化につながることについて解説いたしました。
その上で、システムの導入を特におすすめしたい方の特徴をご紹介します。
注文の増加により出荷作業が大変になった
注文が増えることは企業にとって喜ばしいことです。しかし、すぐに人員が増やせるわけではないため、当然手が足りないという状況に陥りやすくなるでしょう。
とはいえ注文から出荷までの工程をすべて目視で確認し、手作業で行うことは大変なことです。
出荷までの迅速な対応も当然ユーザーの満足度向上につながりますので、時間短縮が叶うシステム管理の導入がおすすめです。
取り扱う商品の数が増えてきた
取り扱う商品が増えると、それだけミスが発生しやすくなります。特に、同じ商品の色違いやサイズ違いを扱っていたり、把握しきれないほどの商品数や在庫数を抱えていたりすると、確認のための時間が通常よりも長くかかってしまいます。
システムで管理することで在庫数や場所を常に正確に把握できるため、多数の商品を扱っている企業にとってシステムの導入は有益でしょう。
リピーターを増やしたい
販売している商品の価値や品質が高いことはもちろん必須要素です。その上で、ユーザーが求める「迅速で正確な発送」を可能にすることがリピート利用につながります。
また、ユーザーに満足度の高い買い物を提供するには「欲しいときに欲しい商品を過不足なく送り届けること」が必要不可欠です。
一度のミスでユーザーの信用を失わないためにも、システム管理の導入をおすすめします。
まとめ
出荷ミスはコストがかかるだけでなく、顧客離れにつながる可能性があるため、早急な対処が必要になります。しかし、人的な管理体制のままでは、出荷ミスを起こさないよう細心の注意を払っていてもミスが起きる可能性を否定できないでしょう。
顧客満足度の向上、在庫管理や出荷に伴う作業などを効率的に行うためには、在庫の管理に特化した在庫管理システムや、入荷から発送業務まで管理・効率化できるWMS(倉庫管理システム)を導入することがおすすめです。
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