越境ECでの物流の重要性とは?成功させるポイントもご紹介

国内でのネット通販事業が軌道に乗ってきたら、海外にも手を広げたいなんて思った経験はありませんか?

今回は、日本国内から海外に向けて商品を販売したい方向けに知識として頭に入れておきたい「越境EC」について解説します。

その重要性や課題、成功のポイントについても詳しくまとめていくので、越境ECの運営や物流業務についてお悩みの方もぜひ参考にしてみてください。

越境ECとは?

越境ECとは、日本国内だけではなく国境を越えて通信販売を展開するECサイトのことです。昨今優れたビジネスの形として日本でも注目を集めているのをご存じでしょうか?

インバウンドでの中国人の爆買いなどをきっかけに、リピーターの増加で越境ECの規模は拡大し、中国やアメリカからの日本製品の購入額は数千億円超とも言われています。

海外へ販路を広げたいのなら、今がチャンスなのかもしれません。

越境ECにおける物流の重要性

越境ECでは国境を越えて海外の利用者へ商品を届けるため、国内ECとは異なった物流がキーになってきます。ここでは、越境ECで重要視される物流について解説していきます。

物流業務が売上に影響を及ぼす

商品の入庫から発送まで、様々な工程を必要とするのが物流業務です。これを疎かにすれば在庫の管理ミスや配送トラブルなどを引き起こすだけではなく、商品の売上にも影響を及ぼしかねません。

そうならないためにも、物流業務システムをしっかりと構築して運営することが重要です。

まずは自社の状況に応じて、物流業務を見直すことから始めてみましょう。

配送日数や料金が国内とは異なる

越境ECと国内ECとの最大の違いが「配送」です。

国境を越えて取引きをおこなう越境ECでは国内配送よりも配送日数がかかるだけでなく、料金も割高になります。

利用者がどんなに欲しいと思った商品でも、配送日数が長かったり料金が高かったりすると購入をためらってしまうため、事業者は商品と配送方法のバランスを考える必要があります。

越境ECの課題とは?

ビジネスチャンスとして大いに活かすべき越境ECですが、課題点として、主に以下の3つが挙げられます。メリットだけでなくデメリットを予め把握しておくことで、より良いサービス提供の方法を検討していきましょう。

通関手続きが複雑

海外発送を伴う越境ECで事業者がもっとも戸惑うポイントとして、通関手続きが挙げられます。

輸入や輸出には必須事項である通関は、専門的な知識も必要になってくるため事前にしっかりと知識を頭に入れておきましょう。

また、通関には関税がかかる場合もあるため、商品によってはその旨を利用者に説明しなければなりません。

さらには自社で取り扱っている商品が、国によって輸出禁止の場合、あるいは事前に許可申請が必要な場合もあるのでしっかりと調査しておくことをおすすめします。

国の状況により配送日数が変動する

国内ECの場合、配送日数にさほどバラつきはありませんが、越境ECでは国の情勢や物流状況などによって配送日数が大幅に変動することも少なくありません。

日本からそれぞれの国への配送日数の目安はありますが、それらはあくまで目安と考えておくとよいでしょう。

また、郊外都市や発展途上国など物流の発達が遅れている国の場合、利用者が商品を注文してから手元に届くまでに1ヶ月以上要することもあるため、利用者とのトラブルを防ぐには国の情報や現状を把握しておくことも必要になってきます。

配送商品の品質維持

日本と海外では気温や湿度に差が生じるため、配送商品の品質を維持することにも気をつかうでしょう。

国内では何の問題もなくても、商品によっては暑さや寒さから品質を落としかねません。商品が届いた際に品質が変わっていれば、利用者の不満やクレームにつながってしまうかもしれません。そうならないためにも、配送される国の気温や湿度などの気候は入念にリサーチし、それに適した配送・梱包方法を選択しましょう。

また、海外では日本よりも荷物を雑に扱われる傾向があるので、しっかりと梱包することも重要です。

越境ECを成功に導く4つのポイント

先に、越境ECの課題について言及しましたが、ここではその解決策も含めて越境EC成功の4つのポイントについて見ていきましょう。

ポイント①強固な梱包で破損を防ぐ

越境ECの課題の一つとして梱包についても少し触れましたが、日本での販売と同じような梱包は海外では通用しません。

なぜなら、日本では比較的丁寧に荷物を配送してくれますが、海外では手荒く扱われる場合がほとんどで、利用者の手元に届いたときにはパッケージが破損していたなんてケースも少なくないためです。

さらに、越境ECでは国境を越えるため配達日数が国内よりも多くかかることが想定されます。利用者に不安を与えるだけでなく、パッケージも破損していたとなるとクレームにつながりかねません。

自社での梱包を強固にすることはもちろんですが、負担が増えて自社で賄えない場合は物流のプロである業者に委託することも検討してみましょう。

ポイント②商品の情報発信

自社の公式サイトやSNSで商品やサービスの発信をマメに行うことも重要です。

商品の魅力を効果的に発信すれば、利用者の購買意欲にもスムーズにつなげられるでしょう。

SNSを活用し、ユーザーに向けて新商品の情報などを発信するのも有効です。越境ECの場合は現地の言葉に合わせて情報発信するなどの工夫をすることで、より効果的なマーケティング戦略を狙えます。

ポイント③細やかな対応

国内外に関わらず、お客様相談やカスタマーサービスを設置し、利用者からの問い合わせに対応する体制も必要になります。

利用者からの商品やサービスの問い合わせに真摯にすばやく対応することは、リピーターの増加にもつながるのではないでしょうか。

また、利用者からの声を聞くことで商品開発やマーケティング戦略のヒントも得られるでしょう。

ポイント④商品の説明はより詳しく明解に

商品の説明が簡素であればあるほど、利用者は購買意欲をそがれてしまう傾向です。

利用者が安心して商品を購入できるようにするためには、説明文をできるだけ細かく丁寧に記載してください。ネットショップでは実際に利用者が商品を手に取って見ることができないため、説明文や画像で商品のイメージや使用感を利用者に伝える必要があります。

電化製品など故障が気になる製品などは、カスタマーサービスの情報を一緒に掲載しておくと利用者にとってより丁寧な印象を与えられます。

また、英語はもちろんのこと、ターゲットとされる国の言語にも対応するページを用意することをおすすめします。

越境ECを始めるにあたり特に配慮すべき点

実際に越境ECを視野に入れて動き始める場合、注意してほしい確認点がいくつかありますので紹介いたします。

海外の法制度をチェック

Lawyers or judges sign documents in accordance with legal and fair terms of agreement, Legal Ethics and Integrity, scales of justice, law hammer, Litigation and legal services.

越境ECにおいては、海外の法制度にも目を向けておかなければなりません。

国によっては法を十分に理解していなかったために、法律違反で罰せられたり、営業許可が取り消しになったりするケースもあるため要注意です。

海外でも日本でも、EC事業に関する法制度は状況によって変化していくものです。その国の法制度の改定状況を常に把握し適切に対応できるよう準備しましょう。

規制対象商品に注意

たとえ日本国内では販売が可能だったとしても、海外でも同じように販売できるとは限りません。

販売が禁止されている商品を販売すれば、法律違反で罰せられる可能性もあるため、自社の商品が販売できるかをしっかりと確認する必要があります。

特に医薬品や化粧品、食品などは規制対象になりやすいだけではなく、現地の許可を取得しなければならないこともあるため、これらの商品を自社で扱う予定がある場合は注意してください。

その国に合った決済方法の選択

日本の通信販売ではクレジットカードや電子決済、銀行振込み、代金引換などが一般的ですが、海外の多くの国では代金引換がNGなど、日本では当たり前にできていることが通用しない可能性があります。

まずは現地でどのような決済方法が用いられているのかリサーチすることから始めましょう。

その国に見合った決済方法を正しく選択すれば、利用者はスムーズに商品購入を促され、売上につながりやすくなるはずです。

越境ECで成功している日本企業の事例

最後に越境ECで成功している日本企業の事例を紹介します。ぜひ自社の越境EC運営の参考にしてみてください。

ヤーマン株式会社 https://www.ya-man.com/

美顔器で知られるヤーマン株式会社は、中国でネットショップを中心に大規模なセールを開催する「独身の日」(11月11日)に着目。

コロナ禍以前から越境EC展開を進めており、2019年の独身の日にはヤーマン史上最高売上額を記録したそうです。美顔器に興味がある若年女性層をターゲットにマーケティングを展開し、美顔器の魅力を動画でライブ配信した点も成功の秘訣でしょう。

株式会社ICHIGO https://ichigo.com/

スタートアップ企業ながら、海外向けにお菓子のサブスクリプションサービスを展開し、2022年7月期には越境EC売上が40億円を突破しました。

外国人旅行者が日本のお菓子を大量に買い込んでいることに着目したのがきっかけとのことです。

代表取締役は英語が得意ではなかったそうですが、海外のマーケティングに強い外国人社員を積極的に採用することで、海外顧客に向けた商品開発やマーケティングにも対応できるようになりました。

株式会社Tokyo Otaku Mode https://otakumode.com/

ネットショップ「オタクモード・ドットコム」で越境ECを展開する株式会社Tokyo Otaku Mode。海外向けに日本アニメやゲームのグッズをメインに販売しており、ヨーロッパ、アジアを中心に売上を拡大しています。

定額を超える商品は送料無料にしたり、EMS航空便の送料を半額にしたりなど、利用者にうれしいサービスを展開しているのも成功の秘訣でしょう。

まとめ

今回は海外に向けて商品を販売したい方へ、越境ECにおいての物流の重要性や課題、成功ポイントについて解説しました。より効果的な海外進出に向け、これらのポイントを参考に準備を進めてもらえればと思います。

はぴロジでは、通販サイト(ECサイト)で商品が注文されてからエンドユーザーに商品が届くまでに必要な業務全般を一括で代行するフルフィルメントサービスを提供中です。はぴロジが提携するパートナーには、越境ECを得意としているパートナーもおり越境ECの課題解決もサポート可能です。

加えて、ユーザーの悩みである国内のEC物流業務の効率化も万全な体制にてサポートしますので、ご興味のある方や、物流に関するお悩みがある方は、是非はぴロジまでお気軽にお問い合わせください。

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