アフターコロナのEC物流~複数拠点、在庫分散モデルの活用例を解説~

新型コロナウイルス感染症の拡大により国内外のサプライチェーンに大きな影響を及ぼしました。現在も影響を受け続けている事業者様も多いのではないでしょうか。感染拡大により、課題が「発生した・一部発生した」と答えた物流関連企業は半数以上に上りました。 (下図:調査結果「新型コロナウイルスの感染拡大による物流・サプライチェーンへの影響」より)今後も変化の激しい状況が続くことが予想されています。

参考リンク:調査結果「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による物流への影響について」

 

本記事では、当社のEC物流ソリューションの観点から「複数拠点」「分散出荷」の活用について解説いたします。

複数拠点、在庫分散モデルの活用例を解説!

コロナ禍の巣ごもり消費拡大に伴い、受注が増加したケース

(X社の場合)

1拠点体制でオンラインショップを運営していたX社は、輸送業社の業務ひっ迫によりトラックが遅延、倉庫に在庫が届かず出荷がストップ。

(Y社の場合)

自社の実店舗でオンラインショップの運営も行なっていたY社は、実店舗から商品を発送していた。濃厚接触者となった担当スタッフが感染予防対策のため出社できなくなり、店舗および通販の運営や出荷がストップ。

(Z社の場合)

関東、関西、九州地方の複数拠点から在庫管理•出荷を行っていたZ社は、コロナ禍においても安定して稼働していた九州地方の倉庫から得意先に応じて出荷数量の調整を行い、運営が継続できた。

 

POINT

Z社は、複数拠点で在庫を管理し、関東、関西、九州地方、それぞれの拠点へ注文ごとに出荷指示をだす方法で運営を行なっていた。コロナ禍においても、受注増加に伴う欠品や、出荷停止などのリスクを回避できた。

 

X社の場合は、1拠点での在庫管理・出荷ではなく複数の拠点があれば、この事態は防げたかもしれません。Y社の場合も、実店舗のスタッフは日ごろから不特定多数のお客様との接客があるため、この運営体制のみで、オンラインショップの出荷作業を行うのはリスクが高かったといえます。この機会に、在庫リスク分散を行い、いざというときにスピーディに出荷が行える体制を整えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

分散保管・分散出荷を行う際に気をつけるポイント

在庫分散や複数拠点の運営で気をつけるべきポイント

 

複数の倉庫や店舗を配送拠点として運営する場合、1拠点配送での運用とくらべ、日々のオペレーションも異なります。複数拠点の場合に行われる在庫の振り分けについて解説いたします。

 

複数拠点の場合のオペレーション例

1.在庫の振り分け作業によるミスをなくす

 

複数拠点で運営を行うと、倉庫ごとに在庫数を必要な数だけ振り分けたり、拠点ごとに発注をかけることができます。これらを手作業で管理しようとするとヒューマンエラーによるミスが起きる可能性が高く、スピードが求められる際は効率的ではありません。このような場合には、複数拠点の在庫管理ができる物流システムの導入を検討すると良いでしょう。

 

2.注文ごとに、どの倉庫から出荷するか指定可能

 

注文ごとに「どの倉庫、または店舗から出荷を行うか」を指定できます。商品マスタに出荷拠点のフラグをつけ、出荷元を自動判定できる在庫管理システムであれば、受注データ1つ1つを手作業で振り分けていく必要はありません。

 

 

変化の激しい情勢に備えて

一般的には、物流拠点を変えるたびにWMSや運用、オペレーションの変更が必要となります。その都度、システムの改修も必要となり、移管に伴うコストや労力も懸念されます。はぴロジはクラウドサービスによるEC物流プラットフォームのため、倉庫増設や、移管作業もスムーズに行うことができます。

 

 

 

 

まとめ

 

コロナ禍による物流業界への影響や解決手段のひとつとして、分散在庫・分散出荷による運用ケースと、複数拠点の場合のオペレーション例をお伝えしました。ウィズコロナ/アフターコロナ時代を、どのように乗り切るか、今後も調査や議論が続けられることと思います。しかし、抱えている課題はEC事業者様ごとに異なるもので、解決手段をひとつに限定するのは困難ともいえます。物流のオペレーションに関するお悩みや、改善を行いたいと検討されている際は、EC物流に特化したはぴロジのフルフィルメントサービスをぜひご活用ください。

 

 

 

 

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