ネットショップを運営されている皆様、メルマガによる販促活動はご利用されておりますでしょうか?
メルマガ配信は、販促・ファンの育成・リピーター増加などが期待できます。しかし、スマートフォンやSNSの普及に合わせて、メルマガは大きな岐路に立たされているのが現状です。
「メルマガの時代は終わった」といった辛辣な声も聞かれる一方で、「メルマガはさらに有効な施策となっている」といった意見もあるなど、その評価は二分されています。
そこで本記事では、実際のところメルマガの効果はどうなのか?という疑問について解説します。現在のメルマガの立ち位置や効果、ユーザーから読まれるメルマガを配信するポイントについても、併せて解説いたしますので参考にしてください。
なぜメルマガは効果がないと言われているのか?
これまでにも、メルマガを中心としたメールマーケティングは、ECサイトの必須施策として広く活用されてきました。しかし、近年この流れにも変化が見られています。
まずは、現在メルマガが置かれている立ち位置を確認しましょう。
スマートフォンとSNSの普及でメルマガ離れが加速
メルマガの効果が議論に挙がるようになった最大の理由は、スマートフォンとSNSの普及だと言えるでしょう。端末1つで膨大なデータを検索することができるスマートフォンは、ユーザーの行動を劇的に変化させ、何時でもどこでもユーザーが情報を得たい時に手元で確認できるようになりました。
中でも、SNSはコミュニケーションツールという枠に留まらず、情報収集ツールとしても重要な役割を果たし、SNSから商品をオンラインで購入する等といった流れを生み出しています。かつてはメルマガから手に入れる必要があった情報が、今ではリアルタイムにSNSから入手できるというところも特徴といえます。
・2021年総務省調査によるSNS利用動向
総務省が令和4年5月に発表した「令和3年通信利用動向調査の結果」によると、令和3年(2021)の国内SNS利用率は78.7%で、前年より4.9%上昇しています。
SNS利用率の高い世代は20代で、令和3年(2021)には全体の9割超と、ほぼ全員に達しています。また、13~19歳の層の利用率は前年より4.6%上昇し、全体の9割越えを初めて達しています。加えて、60代以降のSNS利用率の上昇幅も見逃せません。
60代のSNS利用率は7割を超え前年より11.1%上昇、そして70代以降の利用率も6割を超え前年より13.2%上昇と、特に大きい伸びとなっています。
出典:https://www.soumu.go.jp
令和3年(2021)SNS利用状況(個人)
こうしたことから、すでにSNSは若者のツールではなく、幅広い世代で一般化したと言っても良いでしょう。事業者がメルマガの効果を疑問視するのも、こうしたライフツールの変化が大きいということが考えられます。
メルマガ配信で期待できる効果
次に、メルマガ配信の効果について解説します。
メルラボが行った「メールマガジンに関する意識調査2022」によると、2022年現在でも「メール」は有効な情報発信手段であるといえます。企業やショップからのお知らせを受け取る手段を問う調査では、LINEやTwitterなどのSNSよりもEメールで受け取っていると回答する人が多いという結果でした。
前年調査と比較すると、Eメールは100%と変わらず、LINEが-2.8ポイント、Twitterが-2.8ポイント、アプリ通知が-5.2ポイント、Instagramが-1.4ポイント、Facebookが-2.4ポイントと、メール以外の受信方法はすべて前年より減少という結果となりました。 そのため、2022年現在においても、多くの人へ情報を届けるためには「メール」が有効なツールであるといえます。
出典:https://mailmarketinglab.jp/mailmagazine_report_2022/
メールマガジンに関する意識調査2022
・メルマガを「休日」に読む人が増加・「通勤/通学時間」は減少
メルマガを読む時間帯でもっとも多かったのは「平日の夜間(帰宅後)」で59.9%、次点が「休日の日中(余暇時間)」で45.2%となっています。
前回(2020年12月)の調査と比較すると、「平日の通勤/通学時間」が3.7ポイント減少しており、一方で、休日はすべての時間帯において増加傾向がみられました。その要因の一つとして、今年度は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が長期にわたって適用されていたことから、リモートワークの浸透や外出自粛など、ライフスタイルの変化がメルマガを読む時間帯にも影響していることが考えられます。
出典:https://mailmarketinglab.jp/mailmagazine_report_2022/
メールマガジンに関する意識調査2022
これらのデータから見ると、一概に「メルマガの時代は終わった」と判断するのは難しく、未だにメルマガには期待できる効果があることが分かります。
読まれるメルマガを配信する3つのポイント
では、具体的にユーザーから読まれるメルマガを配信するポイントを見てみましょう。
1.魅力的なタイトルや件名の設定
メルマガを読んでもらうためには、まずメールを開封してもらう必要があります。そのためには、魅力的なタイトルや件名が必須条件となります。
ユーザーが興味を持ち、思わず読んでみたくなるようなタイトル設定を意識してみましょう。
また、送信元がどこかという点も、ユーザーはメルマガを開封する判断材料にしています。この点は、企業やサイトのブランド価値にもよるため、日頃から丁寧なコンテンツ作りを心掛けることが大切です。SNSなどの運用とあわせて、質の高いコンテンツを提供してブランディングを進めていきましょう。
2.キャンペーンやクーポンの活用
キャンペーンやクーポンの情報は、メルマガの中でも人気の高いジャンルです。ユーザーはお得情報をしっかりキャッチしたいと考えているため、メルマガ会員だけのクーポン配信や、タイムセールの情報などは効果的な施策といえます。
注意したい点として、こうしたメルマガはあくまでもイベント的に活用するということです。日常的にこうした情報が届くと、ユーザーはお得感が薄れてしまい、割引が常態化すればサイトの利益率も下がってしまいます。
日常的な運用は、商品に関連する役立つ情報やコンテンツをメインに据えつつ、機を見てキャンペーンを投下してみましょう。
3.ターゲットの明確化
3つ目は、メルマガを配信するターゲットを明確にしておくということです。
例えば、平日の時間帯に会社勤めをしているユーザーと、子育てや家事に奮闘するユーザーとでは、メルマガを読む時間帯や曜日も異なってきます。自社が取り扱う商品のターゲットを明確にして、どのタイミングでメルマガを配信するのがベストなのか、しっかり探っておきましょう。
また、ターゲットにあわせて複数のシナリオを用意することや、各種分析ツールを使ってデータ分析を行うのも効果的です。ABテストなどを用いながら、最適なPDCAサイクルを回していきましょう。
まとめ
本記事では、実際のところメルマガの効果はどうなのか?という疑問、現在のメルマガの立ち位置や効果、ユーザーから読まれるメルマガを配信するポイントについて解説致しました。
スマートフォンが幅広い世代で一般化し、SNS向けのマーケティングが存在感を高めているのは事実だといえます。しかし、データを見ると、現時点でもメルマガはしっかりとコンバージョンに繋がる施策であることが分かります。
今後も重要となってくるのは、いかに「ユーザーにとって有益な情報を提供できているのか」ということです。
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