【マーケット情報】電子商取引に関する市場調査から考察する今後の物流課題

 

ホリデーシーズンがいよいよ間近となってまいりました。皆様は、EC市場全体が現状どのような状況にあるのかご存じでしょうか。「コロナ禍でECの売り上げは伸びている」とよく耳にしますが、実際のところどのように伸びているのでしょうか。

 

本記事では、経済産業省の2022年8月「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を元に、分野別に3つの業界の市場状況、今後売り上げを伸ばすためにECを見直すポイントを解説いたします。

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商材別市場状況

コロナ禍に伴う「巣ごもり消費」の影響を受け、2020年頃から物販系分野のBtoC-EC市場規模は大幅な拡大が見られています。しかし、2021年は徐々に外出機会が回復しているにも関わらず、物販系分野のBtoC-EC市場規模が継続して増加傾向にあります。

 

このことにより、ネットショッピングでの購買行動が、このコロナ禍によって徐々に定着しつつあると考えられます。
それでは、経済産業省の2022年8月「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を元に、分野別に3つの業界の市場状況をみていきましょう。
参考サイト:https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

 

 

 

物販系分野のBtoC-EC市場規模

 

(出典:経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)
◆アパレル

「衣類・服装雑貨等」の分野は、BtoC-EC市場規模の内訳で2兆4,279億円、EC化率は21%を超え、ECにおけるアパレル業界は堅調に成長しています。

 

2年前からコロナ禍によって店舗休業をせざるを得ない状況でしたが、近年では、オンライン上での接客や販売活動を積極化している動きが目立ちます。
また、店舗スタッフによるコーディネートのおすすめを、ショートムービーや記事にしてまとめ、インスタグラムで情報発信を行っている傾向があります。

 

ダイレクトメッセージや、公式LINEなどを使って消費者との接点を増やし、自社コンテンツをより身近にアピールするケースはこれからも積極的に行われていく施策となるでしょう。

◆食品

食品業界ではコロナ禍の影響を受け、在宅での食事の需要が高まるなかで、食品ECへのニーズが急拡大しています。物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳では「食品、飲料、酒類」の分野が2兆5,199億円と上位カテゴリーの中で1位であるとともに、物販系分野の約19%を占めています。

 

しかし、上位カテゴリー1位の食品分野はEC化率が3.77%と、日本の物販系全体のEC化率8.77%に満たない状態です。物販系分野の需要に伴って伸びしろとして期待ができ、D2Cブランドの展開や成長も見込めるといえるでしょう。

◆家電

家電の分野では、食品業界と同様にコロナ禍の影響を受け、在宅での暮らしを豊かにするための需要が高まり、2020年にニーズが前年度比28.79%と急拡大しています。
皆様もテレワークが増えたのをきっかけに、「コーヒーメーカーを買った。」「パソコンのモニターを増やした。」などの体験があるかと思います。

 

2021年の伸び率は、前年度比4.66%増と2020年の伸び率からは落ち込むものの、EC化率は38.13%に推移しております。個人消費における物品購入がほぼ横ばいで推移していることから、家電分野は巣ごもり需要に浸透し、消費者のニーズに応えている事が伺えるでしょう。

 

また、消費者はコロナ禍でのネットショッピングに慣れ、より簡単に、便利な購入方法を選択していくことが継続して期待されます。
家電ECにおいては、前述のようにEC化率が38.18%と物販分野において高く、消費者の「ネットで検索し、自分たちで比較検討がしたい」というニーズに応えることが他産業と比べて発達しているため、今後も家電分野のEC化率の成長が見込めるでしょう。

 

 

 

 

 

今後売り上げを伸ばすためにECを見直すには

 

EC化率の進んでいる分野と、そうではない分野の違いを比較すると、その内一つの違いとして「物流管理のしやすさ」が影響していると考えられます。

 

例えば、生鮮食品を取り扱うスーパーマーケットに行かずとも、当日中にネットで注文即日配達がされる範囲は、東京都内エリアなどに限られている場合が多くみられます。シリアルナンバーやバーコード管理のしやすい商品と、賞味期限や発送エリアが限られてしまう商品のケースでは「物の運びやすさ」や「物流管理コスト」に大きく影響が出る事が多いです。

 

「物流管理のしやすさ」を基準として改善を行うことで、EC化率の向上が期待できる可能性があります。

 

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「物流管理のしやすさを改善したい」
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