2025.04.21
EC事業者なら知っておきたい!在庫引当とは?仕組みとメリット、管理方法を徹底解説
在庫管理は、EC事業の安定運営に欠かせない重要な業務です。
しかし、商品数や受注件数が増えると在庫の把握が難しくなり、
「在庫があるのに売れない」「売れたのに在庫が足りない」といったトラブルが発生しやすくなります。
そんな課題を防ぐためのキーワードが 「在庫引当」です。
本記事では、在庫引当の意味や必要性、引当の管理方法についてわかりやすく解説します。
目次
在庫引当とは?|基本の考え方を理解しよう
在庫引当とは、注文を受けた時点で、その分の在庫をあらかじめ確保(引き当て)しておくことを指します。
-
「実在庫」:現在倉庫にある商品数
-
「引当在庫」:注文済で出荷予定の在庫数
-
「有効在庫」:販売可能な残りの在庫数(=実在庫 − 引当在庫)
この「有効在庫」を正確に把握しておくことで、
過剰受注による欠品や、販売機会のロスを防ぐことが可能になります。
例で見る在庫引当の流れ
状況 | 実在庫 | 引当在庫 | 有効在庫 |
---|---|---|---|
商品が50個ある状態 | 50 | 0 | 50 |
30個受注が入る | 50 | 30 | 20 |
さらに30個入荷する | 80 | 30 | 50 |
さらに20個受注が入る | 80 | 50 | 30 |
このように、引当を管理することで、今「自由に売れる在庫数(有効在庫)」を常に可視化できます。
なぜ在庫引当が重要なのか?
在庫引当をしないまま運営を続けると、以下のようなリスクが生じます:
-
在庫数以上に受注 → 欠品・出荷遅延 → 顧客からのクレーム
-
正確な残数が分からず追加発注が遅れる → 販売機会の損失
-
倉庫にあるのに“売り切れ扱い” → 売上減少
これらを防ぐには、「注文の段階で在庫を確保する」=引当の管理が欠かせません。
在庫引当を管理する2つの方法
1. 手動(Excelや手書き)
在庫数の少ない小規模なECでは、手動で引当を管理することも可能です。
使えるExcel関数の一例:
関数 | 用途 |
---|---|
VLOOKUP |
指定条件に一致するデータを取得 |
IF |
条件ごとの処理分岐 |
SUMIF |
条件に合った数値を合計 |
TRIM |
空白削除で入力ミス防止 |
注意点:
-
更新ミスが起きやすく、複数人での管理は非効率
-
在庫の反映にタイムラグがあると、誤引当の原因に
2. 在庫管理システム(WMSなど)
複数拠点・複数人での在庫管理が必要な中規模以上の事業者には、在庫管理システムの導入が有効です。
システムを使うメリット:
-
引当・実在庫・有効在庫をリアルタイムで自動更新
-
倉庫に行かずとも在庫の確認・予約が可能
-
複数の受注チャネルとの連携もスムーズ
在庫システムでの在庫の動き(例)
日付 | 内容 | 実在庫 | 引当在庫 | 有効在庫 |
---|---|---|---|---|
10/1 | 初期状態 | 100 | 0 | 100 |
10/2 | 発注10 | 100 | 0 | 110(予定) |
10/3 | 受注20 | 100 | 20 | 80 |
10/4 | 入荷10 | 110 | 20 | 90 |
10/5 | 売上20 | 90 | 0 | 90 |
このように、システム上では在庫の動きや引当状況を時系列で可視化することが可能です。
引当を活用して在庫管理をもっとスマートに
在庫引当を適切に行えば、以下のような改善が期待できます:
-
欠品・納期遅延の予防 → 顧客満足度アップ
-
有効在庫数の把握 → 適切な発注・仕入判断
-
二重引当や過剰在庫の削減 → コスト削減&キャッシュフロー改善
ただし、引当の精度を保つためには、在庫データの整合性や連携性も非常に重要です。
出荷・在庫連携をもっとスムーズにしたい方へ
在庫引当をはじめとする在庫管理業務を効率化するには、
ECカート・OMS・WMSをつなぐデータ連携基盤があるとより安心です。
はぴロジが提供するlogiec(ロジーク)は、受注~出荷~在庫更新までの一連の流れを自動化・一元管理できるクラウド型システムです。
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Shopify・楽天・Amazonなど主要チャネルと連携
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倉庫側とリアルタイムで在庫・引当状況を共有
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分散出荷や返品管理などにも対応可能
まとめ
-
在庫引当とは、受注時点で商品を確保しておく在庫管理の仕組み
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適切な引当管理は、欠品や機会損失の防止につながる
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Excelでの管理には限界があるため、事業規模に応じたシステム活用が有効
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在庫管理・出荷連携を自動化するには、logiecのようなシステム・プラットフォームの導入がおすすめ
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